Whisky Lab編集部です。みなさん、今⽇も素敵なウイスキーとの出会いを愉しんでいますか?今回は編集部より今イチオシのウイスキーをご紹介したいと思います。
ザ・バルヴェニーというウイスキーをご存知でしょうか?
世界でも⾼い評価を得ているシングルモルトウイスキー「ザ・バルヴェニー」。
きっと飲んだことがある⼈もいらっしゃるのではないでしょうか。
飲んだことがある、という⼈でも「FIVE RARE CRAFTS(ファイブ レア クラフト)」という⾔葉をご存知の⽅はおそらく少ないのではないかと思います。
この「FIVE RARE CRAFTS(ファイブ レア クラフト)=類い稀なる5つの職⼈技」こそ、ザ・バルヴェニーを真のクラフトウイスキーと呼ばれる由縁なのです。
5RARE CRAFTS(ファイブ レア クラフト=類い稀なる5つの職⼈技)とは?
ザ・バルヴェニーは“類い稀なる5つの職⼈技 “を忠実に守り、昔から変わらない⼿法でウイスキーを製造しています。ザ・バルヴェニーの職⼈は、原料を熟知し、最⾼のウイスキーをつくりたいと⼼から願っているそうです。専⾨知識や技術、そして熱い職⼈魂が⼀体となり、ザ・バルヴェニーの強い個性を作り出しているんですね。
そしてこのファイブ レア クラフトは5⼈の匠「CRAFTSMEN(クラフトマン)」によって体現されているのだとか。
彼らの職⼈技への深いこだわりが、製造⼯程のあらゆる段階で計り知れない技術、知識、経験、情熱を⽣み出すそうですよ。
それでは、ザ・バルヴェニーを真のクラフトウイスキーたらしめる5⼈のクラフトマンについてご紹介したいと思います。
ザ・バルヴェニーは、今でも専属農家による地産⼤⻨を使って⻨芽を製造している、スコットランドでも数少ない蒸溜所の⼀つなんです。これって実はすごいことなんです!
また、スコットランドの天候は極めて予測しにくいため、種蒔きと収穫の時期を⾒極める農家の直感は⾮常に重要なのだとか。
⼤⻨栽培を託しているワイズマン⼀家は代々続く農家で、これまでの⻑い経験の中から得た鋭い洞察⼒は⽗から⼦へ、しっかりと受け継がれているとのこと。
⾃然を相⼿にする農業。天候に恵まれないこともありながらも質の⾼い⼤⻨を作り続けられるのは、代々受け継がれている知識や技術があるからこそできる匠の技なんですね。
バルヴェニー蒸溜所は、スコットランドでも数少ない伝統的なフロアモルティングを採⽤している蒸溜所なんです。そこで重要になってくるのが「モルトマン」。
モルトマンとは、単なる⼤⻨の攪拌(かくはん)役ではありません。ロビー・ゴームリー⽒は、⼤⻨を湧⽔に2〜3⽇浸⻨した後、⼤⻨を攪拌して適切な温度を維持し、均⼀に発芽させなければならない重要な⼯程を担っています。⼤⻨が発芽したかどうか確認するために、ロビーは試⾏錯誤を重ね独⾃の⼿法でそれを⾒極めるのだとか。匠のモルトマンにしか分からない⻨芽製造⼯程に対する深いこだわりが感じられますね。
ポットスチルの形と⼤きさは、ザ・バルヴェニーの味わいを左右する最も重要な要素のうちのひとつなんです。⽩⿃型の⻑いネックと「バルヴェニーボール」と呼ばれるネック下部の瘤(こぶ)により、蒸気がヘッドまで上昇する際、より⻑い時間をかけて混ざり合うことができます。この形状は蒸溜所が開業した当初からほとんど変わっていないんだとか。ちなみにザ・バルヴェニーのボトルの⾸部分のデザインはこの「バルヴェニーボール」がモチーフとなっているようですよ。
このポットスチルの独特な形状が、ザ・バルヴェニーのウイスキーに蜂蜜のような⾵味をもたらしてくれるそうです。だからこそ、デニス・マクベイン⽒の銅器技術が、ザ・バルヴェニーの個性を維持するために不可⽋なんですね。しかも、この銅器職⼈は業界では珍しく常駐体制(!)をとっているそうです。ポットスチルの状態を徹底管理するためにここまで情熱を持って取り組んでいる姿勢には脱帽です。ポットスチルを叩いて厚みの変化をチェックし、微細な味わいの変化も起こさせない熟練の匠の技がここにも存在しているんですね。
⻑年⽊材を扱ってきた樽職⼈頭のイアン・マクドナルド⽒の⼿は、アメリカンオークとヨーロピアンオークの違いを感覚的に知り尽くしているそうです。イアンの仕事は、ウイスキーに個性を吹き込む樽の修理と修復。その技術を磨くためには4年、マスターするにはさらに⻑い年⽉が必要なんだとか。
ザ・バルヴェニーの味わいにとって重要な樽のメンテナンス。これはすべて敷地内のクーパレッジ(製樽⼯場)に常駐する樽職⼈のチームに委ねています。樽によっては、⽊の糖分をカラメル状にするために「トースト」する必要がありますが、トーストは気孔を開くのにちょうどいい程度で抑え、あまり深く焼いてはなりません。これは⾮常に⾼度な技術ですが、樽職⼈は1年中、そして1⽇中ウイスキー樽を修理、修復しているんです。
このような匠たちにザ・バルヴェニーの樽はいつも⽀えられているんですね。
モルトマスターはザ・バルヴェニーのすべてのウイスキーづくりを監督し、徹底的に訓練された⿐を使ってウイスキーの⼀貫性を維持しているそうです。モルトマスターのディビッドの先駆的な技術は、現在使⽤されている製造⽅法に⼤きな影響を及ぼしているのだとか。特にザ・バルヴェニーの「後熟」を開発したモルトマスターとして有名なんです。あの、グレンフィディックのソレラシステムに代表されるように、今では他のブランドでも熟成の⼿法として使われている後熟を開発した偉⼤な⽅なんですね。
そして、2016年7⽉5⽇、ディビッドは、スコットランドのエジンバラにあるホリールード宮殿で⾏われた式典で、スコッチ ウイスキー産業への貢献により、エリザベス2世⼥王陛下から⼤英帝国勲章のメンバー(MBE)を授与されました。⼥王陛下から勲章を授与されるなんて、本当に偉⼤なモルトマスターなんですね。
モルトマスターはそれぞれの樽がどのように熟成していくかを、深い知識と嗅覚、そして第六感で感じ取れるようになるそうです。スコッチウイスキー業界で最も⻑くモルトマスターを務めてきたディビッドは究極の職⼈技を持っており、400,000樽以上のバルヴェニーを把握しているんだとか(!!)
⾹りや味わいの⼀貫性を保つために、彼は平均して1⽇約30樽のウイスキーを確かめ、そしてどの樽を12年後に瓶詰めできるか、または 21年、30年以上熟成させるかを決定するそうです。数⼗年先のことまで考えられるなんて、まさに究極の職⼈技と⾔えますね。
そして、今ではディビッドの指導の下で 6年間の⾒習い期間を経て2022年に次期モルトマスターの地位を託されたケルシー・マッケニー⽒はその⾼い技術と深い知識を受け継いでいるんです。
わずか6年で、これだけの技術と知識を受け継ぐ次期モルトマスターの素養もすごいですね!
ディビッドの指導の下で 6年間の⾒習い期間を経たケルシー・マッケニー⽒ は、2022年に共同モルトマスターの地位を授与されました。モルトマスターの役割をケルシーは、ザ・バルヴェニーの各ボトルの卓越性と⼀貫性を保証することと、その精神を維持することと考えているそうです。
ケルシーは「これまでの5年間、ザ・バルヴェニーの⾒習いとしてディビッドから学べたことはとても光栄なことだと感じています。ディビッドは信じられないほど知識が豊富で忍耐強く、ウイスキーの⽣ける伝説です」と語っています。
次期モルトマスターとしてケルシーは、ディビッドへの深い尊敬の念とザ・バルヴェニーの伝統を重んじながらもウイスキー業界の今後を楽しみにしているのだとか。これからのザ・バルヴェニーにも期待⼤ですね。
みなさん、いかがでしたでしょうか。
ザ・バルヴェニーを真のクラフトウイスキーたらしめる「FIVE RARE CRAFTS(ファイブ レアクラフト)」。そしてこのファイブ レア クラフトを⽀えているのが5⼈の匠たち。
ひとつのウイスキーを作り上げるのに、こんなにも卓越した技術と熱い魂を持った職⼈が関わっていることを知り、Whisky Lab編集部としても改めて深く感銘いたしました。
今夜はこの5⼈の匠たちへ思いを馳せながら、ザ・バルヴェニーをゆっくり味わうことにしたいと思います。