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ウイスキーの現場から

皆さんは普段、ウイスキーをどんな飲み方で飲みますか?

自宅で大きな丸い氷を作ってロックで飲んだり、炭酸水を作ってハイボールにしたりということも多いのでは?

特に、ウイスキー愛飲家の方は、ロックでウイスキーが持つ独特な香り・風味・味わいをダイレクトに感じたいという方も多いでしょう。

 

今日は、ウイスキーのロックで見かける大きな丸い氷の理由、そして水がウイスキーの味わいに与える変化について書いていきます。

 

そもそも、ウイスキーのロックを飲む時、なぜよくある細かい四角の氷ではなく、大きい氷(特に丸い氷)が使われるかご存知ですか?

 

 

有名な話ではありますが、氷は表面積が大きいほど熱が伝わりやすく(周りを冷やしやすく)溶けやすくなります。

 

つまり、

大きな1つの氷を使用することで氷の表面積を小さくし、氷が溶けにくくなる

→ウイスキーを冷やしながらも水が混ざりにくい

→ウイスキーの味わいをより美味しくダイレクトに感じられる

ということです。

 

そこで、関連する少し興味深い研究を見つけたので、ご紹介します。

 

簡単にいうと「ウイスキーはどれくらいの水分を含むとその味わいが変わってしまうのか」という結果を問い詰めた研究です。

※参考:ウイスキーと水の黄金比率を科学者たちが発見! 完璧な飲み方も併せてご紹介|エクスクィア日本版

ワシントン州立大学、ミシガン州立大学、オレゴン州立大学の食品科学者5名による共同研究。

ウイスキー愛飲家20名に対して、ウイスキーと水をさまざまな割合で希釈して飲んでもらい、その味わいの変化を記録したというものです。

 

結論、「ちょうどウイスキー 80パーセント:水 20パーセントの点からそれぞれのウイスキー独特の香りなどの違いがわかりずらくなった」という結果でした。

 

また、そのウイスキーの香りの感じ方も、水の割合を増やすごとにただ単に味わいが薄まるだけでなく、異なるものに変化していったそうです。

 

ウイスキーを薄めると香りはどのように進化するか:
スモーキー → 仁果類
バニラ+オーク → コーン+穀物
オーク → シダー

 

つまり、ハイボールや水割りを好む方もいらっしゃるかと思いますが、これはただ単にウイスキーの味わいを薄めているのではなく、香りや味わいも変わってしまっている可能性が高いのです。

 

これは、ウイスキー愛飲家に丸い氷のロックが好まれることに繋がるともいえます。

本研究を行なったトーマス・コリンズ氏は、「あの大きくて四角い氷がなぜ、これほど人気があるのかを理解するのにも役立ちます。なぜなら、同じウイスキーでなくなるほど薄まる前に、ウイスキーを楽しむことができるからです」とワシントン州立大学のプレスリリースで述べたそう。

 

皆さんもぜひ、ウイスキーを炭酸水や水で割った時、単に味が薄まっているのではなくその味わいまでもが変化してしまっている、なんていうことはないか。

確かめてみてはいかがでしょうか。

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